行政書士杉田一志のブログ

外国人が日本で必要になる手続き、入管申請、古物許可などについて、実務に基づいて紹介していきます。

事務所移転しています。

遅まきながら、2019年秋から杉並区に事務所移転しています。


引き続きよろしくお願いいたします。


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行政書士 杉田国際法務総合事務所
行政書士 杉田一志

【入管】身分系ビザで特殊なケース①

 まず、状況を説明します。


 日本人夫と中国人妻が結婚して、中国人妻が「日本人の配偶者等」のビザを取得、その後中国本国から中国人妻の連れ子を「定住者ビザ」で呼び寄せたケース。


 よくある話です。


 無事、連れ子は来日を果たしましたが、5年後、「定住者」から「特定活動」へとビザが変わってしまいました。


 原因は、連れ子が中国人妻の実子でない事が発覚したから。


 連れ子の定住者ビザは、①外国人配偶者の実子か、②6歳未満の養子で有る事が許可の要件です。(告示定住者の場合)


 11歳で来日した連れ子は、②の要件を満たせず、①で有る事が必要でしたが、実子でない事が入管に分かってしまったのです。


 原因は、中国人妻が永住申請をした時、過去の記録を深く調べられ、過去の「在留特別許可」の手続きの中で「息子がいるが捨て子で、私が引き取って育てている」と審査官に答えていた記録が見つかり発覚したのでした。


 「在留特別許可」とは、オーバーステイの外国人が、本来退去強制手続きの中で帰国させられてしまうところ、日本人と結婚しているなど「特別な事情」が有る場合に限って、法務大臣が個別に判断し、特別に与えられる許可の事です。


 いずれにしろ、連れ子は「定住者(告示)」の資格には該当せず、それ以来「特定活動」を付与され、一年づつの更新を続けてきたのでした。

 連れ子は、小学生から日本で育ち、日本に定着している父と母の扶養を受けて生活しているので入管としても人道上「帰国」させる訳にもいかず、やむなく「特定活動」を与えたのですが、私への依頼は、「定住者に再び戻れないか」と言うものでした。


 定住者ビザには、「告示」のものと「告示外」のものがあります。

 「告示」のものは要件が有り、それに当てはまっていれば許可されます。

 しかし、「告示外」のものに要件は無く、個別の状況を審査され法務大臣が個別の解釈で許可を出しますが、このケースはもちろん「告示外」です。


 連れ子は小学生から日本で学校に通い、高校生にまでなっていました。

 そこで、私は日本への定着性をアピールして申請しましたが、許可されたのはやはり「特定活動」。


 翌年も同じ申請を続け、結果は変わりませんでした。

 そして2016年も同じ申請をして、入管の方から電話が有りました。

 「許可は許可だが、少しお話させて頂きたい」

 通常、「定住者」が許可されればこの様な電話は架かってこないので、今年も結果は同じだと踏んでいましたが、今年は少しだけ違いました。

 「定住者」は許可できないが、例年通りの「特定活動」更新か「留学」ビザならば許可すると言うのです。

 翌年の更新時期に「留学」に切り替える申請をするアドバイスは例年ありましたが、っ子の場で「留学ビザ」を「許可する」という話は初めてでした。「来年は留学で申請してみれば」ではなく、この場で「留学」ビザを出すと言うのです。

 そして、「連れ子は来年大学3年生で就職活動がある。「特定活動」ビザで就職が大丈夫か」と言う話をちょうどお父様としていたところでした。

 審査官はどちらかを選択するよう促しました。

 その中で、何故定住が許可できないかと言うポイントも説明してくれました。

 定着性や人道的見地から許可されうる「告示外」の「定住者」ビザには、

 どこにも書いていないポイントがあり、それは来日して10年が経っている事。

 しかし、審査した方は来日から8年が経過しているので十分と、法務省に許可してくれるよう資料を送ってくれたそうです。

 しかし、法務省の意見は、特定活動に代わってからの3年が正規の在留であり、その前の5年は「本来なら来日する事の出来なかった期間」であるので、実質的には3年しか在留していないと言え、それでは定着性が不十分だと言うのです。

 他方、そもそも留学ビザだろうが日本に親子一緒に入れるのだからよいのではないかと言う意見があるでしょう。

 しかし、母親の中国人妻は自分のミスで子供のビザが制限の多いものになってしまい、親子間で安定性が大きく違うビザとなってしまったという自責の念に駆られており、親としては何としても「定住」かそれ以上のビザを子に与えたいと切望しているのでした。

 一方息子も、日本人と同じように育ってきて大学にまで入り、友人と一緒にアルバイトも出来ないビザの状況を嘆いていました。また、息子には幼いころからの消防士の夢があり、それには日本国籍取得も必要でした。(法務局に帰化の相談にいたところ、特定活動のビザでは難しいと言われた。)


 こういった経緯で、中国人妻と連れ子は「定住者」に拘って来たのですが、結局、今回留学ビザを選択する事になりました。


 決め手は、審査官の一言だったと思います。

 「学校を卒業して就職に失敗しても、また特定活動に戻れる。年数がたてば、どんなビザからでも定住を許可する用意はある。帰国させることは無いよ。」


 これで親子が恒久的に日本で一緒に居られると安心したのでしょう。

 一家から強張った表情が取れ、その日中に「留学」の在留カードを持って帰っていきました。


 私も安心しました。


 この様に、ビザは親子の問題や子供の将来に大きく影響する者です。


 私は、我ながら自分の経験が深かったからこそ、お客様に納得して頂けたと自負しています。


 是非、ビザは勿論のこと、人生の経験も豊富な私へご相談ください。



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【入管】留学ビザの更新

 今日、入管審査官から少し良い情報が聞けました。

 留学ビザを更新(大学生の場合)する場合、1年ビザか、それ以上の期間で許可されると思います。

 この判断は、「取得単位数」によるそうです。


 勿論、週28時間のアルバイトの就労制限を守っているかとか、犯罪歴が無いかなどは当然に審査されますが、何故「1年ビザ」だったんだろうと思っている外国人の方は、「取得単位数」を見てみて下さい。


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